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オーディオテクニカ AT-PHA30i OJI Special 2010/01/27

テクニカらしくいないサウンドをどうするか!?

DSC_7313.jpg実はものすごく改造したいアンプの一つだったのがこのアンプです。
ただ 価格が比較的良い値段なのと、分解に問題有りそうだったので散々迷っていたところにお客様からの依頼! 「是非改造をお願いします」

肝心の音質ですが、ノーマルでは オーディオテクニカらしくない音 と言えば解る人は解ると思いますが、いわゆる かまぼこ型の感じがするのと、何かノイズっぽくスッキリしません。
これはやらずにはいられません。

改造ですから分解しないと始まりません。 いろいろ見ているとどうも化粧パネルの下が怪しい(ネジがある)という感じでしたが アルミの薄いパネルはまず 歪むのと 再度付け直すときに接着剤がダメになって上手く付かないことも多いので、お客様と相談することといたしました。お客様との相談の上 決行することに決まり、分解です。
分解さえ出来れば あとは 回路を追いかけ音質向上に向け頑張るのみです。

改造して試聴した結果 一番変わったのは抜けや切れそしてスッキリ感。これだったら お客様も満足していただけると感じ出荷いたしました。

お客様の感想

■事前の丁寧な対応と説明
進捗状況の中間報告、分解作業の困難さやそれに伴うパネルのゆがみや小傷についての説明もきちんとあり、内容を理解した上でお願いすることができました。
心の準備ができていたのですが、帰ってきた品物のパネルの歪みも小傷もぜんぜん気にならないレベルで、逆にびっくりしました。

■「あ、これなら欲しいな!」と素直に思える音。

(使用環境)
Apple社: iPhone
Etymotic Research社: ER-4S
一言で言うと、「AT-PHA30iとは、別物の音」です。
正直、ここまで変わるとは思っていませんでした。
ノーマルの状態から、改造後の音を想像するのは無理だと思います。
AT-PHA30iを買うときは、何度も店に通って試聴を繰り返しました。

(ER-4Sのみの印象)
高域、低域はさほど欲張ってはいないが、全体的に解像度が高く、演奏者の表現がわかりやすい。
(ER-4S & ノーマルAT-PHA30iの印象)
高域、低域は気のせい程度しか変わらないが、中高域ははっきりと変わる。
バランス的には、中高域が張り出して聞こえる。
ER-4Sのみの方が全体のバランスはよいと思う。
音場が上下左右に広がり、各楽器が他の楽器と分離して鳴り、定位がよりはっきりとする印象。ダイナミクスも増す。
ただ、解像度は上記に比して良くなく、ぼやけた印象。
また、ER-4Sとの組み合わせでは高域、低域が中高域に比較して出ないので、この辺りの物足りなさがかなりあり、結構、好みがわかれるのではないかと思う。
このあたりは、他のヘッドフォンを使うと印象もかなり変わるのでは?と思う。

購入前に何度も試聴を繰り返したと書きましたが、今にして思えば、「これだ!」と踏ん切りのつかない音だったと思います。
DSC_7320.jpg(ER-4S & 改造後AT-PHA30iの印象)
ノーマルに比較すると、ベールを剥いだようにすっきりと見通しのいい音です。
ぼやけた感じがしないですし、細かい音の動きも追えるうえ、中高域が突っ張っている感じもせず、バランスもこちらの方がいいです。
「あ、これなら欲しいな!」と素直に思える音です。

改造後と比較すると、ノーマルは音場が上下左右に広がり過ぎて各楽器がバラバラに聞こえ、かつ、ぼやけた音でしたので、演奏の全体像が捉えづらく、ノリのよくない音でした。
改造後は、音場が肥大することもなく、それぞれのパートがかき消えずに一緒に音楽を作っているような自然な印象です。

解像度も高く、ER-4Sの良さがよく引き出されていると思います。
休符もはっきりとわかりますし、各パートの表情がいきいきと伝わってくるので、アンサンブルだけでなく、音楽が楽しめます。

改造をお願いしてほんとによかったです。

以下に、試し聴きした曲と感想を書いてみました。
感想は、なるべくオーディオ的な部分に絞って書いてみました。

○タリス・スコラーズ
バード:4声のミサ
音がごちゃごちゃな塊にならず、4声のそれぞれの個性、動きがよくわかります。
音の強弱、抑揚がよく伝わってきます。

○Baby Brothers
The Water Is Wide
コーラスは音が潰れやすいのですが、5人のヴォーカルがきちんと聞こえるだけでなく、それぞれの個性や表情がよく伝わってきます。

○中島美嘉
Love Addict
とにかく音に混濁がなく、いきいきと聞こえます。
左右に配置されたストリングス、金管の掛け合いがはっきりわかりますし、コーラスも混濁せずに聞こえます。
ベースもこもらず、スッキリ鳴るので気持ちいいです。

雪の華
ヴォーカルのバックの鈴の音が、静かに、でもしっかりと聞こえてきます。

○ビル・エバンス
Waltz For Debby
ピアノは、休符がわかりやすく、スイング感が伝わってきます。
ドラムが入っても、ベースがぼやけることなく聞こえます。
まわりの雑音も結構リアルに聞こえるので、臨場感があります。

○南紫音
デビューリサイタル
ヴァイオリンの音だけでなく、ピアノとの距離感や、体の動きが伝わってきて、臨場感があります。

○スウィトナー指揮/シュターツカペレ・ベルリン
グリーグ:管弦楽曲集 「ホルベアの時代から」リゴードン
定位がしっかりしているので、弦楽器同士の掛け合いも、弱音のピチカートもいきいき聞こえます。

○ビシュコフ指揮/パリ管弦楽団
ビゼー:「アルルの女」からファランドール
タムタムがタンバリンにかき消されることなく、きちんと鳴ります。

○ミュンシュ指揮/ボストン交響楽団(録音:1962年)
ベルリオーズ:「幻想交響曲」5.Dream of a witch's Sabbath
チューブラーベルの響きがとても自然で、金管をバックで鳴っているオーボエの低音がきちんと聞こえます。
さすがにティンパニ、バスドラの低音がすっぱりと切れるのは仕方がありませんが、気にならないほど迫力があります。

○レスピーギ:交響詩「ローマの松」4.アッピア街道の松
ガッティ指揮/ローマ・サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団
出だしから弱音、低音が続き、長いクレッシェンドをかけていきますが、この音の動き・抑揚がとてもよく伝わってきます。
シンバルの入る部分も、音がつぶれずにがっちりと鳴ります。

○プレヴィン指揮/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
ラフマニノフ:交響曲 第2番 第4楽章
分厚い響きが多いのでノーマルでは音がつぶれてしまっていましたが、改造後はそれぞれのパートがいきいきと聞こえます。

○ブロムシュテット指揮/サンフランシスコ交響楽団
ニールセン:交響曲 第4番「不滅」 第4楽章
2台のティンパニの掛け合いが、とても聞き分けやすいです。
ティンパニの低音は望めませんが、音色がきれいに聞こえるので、ノーマルの時はあまり気にしていなかったのですが、マレットを持ち替えているのがわかります。


LUX MAN P-200 OJI Special 2010/01/21

モワッとした音をぬぐい去りリアルサウンドに!

見た目にも非常に綺麗なアンプで、音もよく言えばホワッとしたサウンドですが、悪く言うとかなりベールがかぶった音でヘッドフォンによっては相性がかなりでそうなサウンドに感じました。 これは何とかしたい! ということで お客様と相談。

当方の感想

※ 音質は 良い意味で どちらかというと甘めなのですが、抜けや切れという面で物足りなく感じます。D7000ですと 低域よりの特性ですので 好みにもよりますが、物足りないと感じますがいかがでしょうか? ソースにもよりますが、現状ですとモワッとした 良い意味でやさしく暖かいサウンド、悪く言うと鮮度にかける音の気がします。
感じている内容を 連絡いただければと思います。

ということで回答をいただきました。

お客様の感じていることと要望

さて、音質ですが、D7000の現状で一番気になっていたのはモワッとした感じが あることでした。この部分は改善できたら改善して欲しい部分です。それと鮮度 に長けた音を求めています。 抜けや切れはもっと欲しいと思っています。一つ一つの音がもっとハッキリ聞こえるようになれば最高によいです。音の好みは暖かいサウンドの逆になります。

DSC_7293.jpgいろいろ検討した結果、パーツの見直しとパターン変更。と言っても このアンプはしっかりとアナログ技術屋さんがひいたパターンなので(見てすぐに解る) どうしても必要な部分を攻めています。あと メーカー製アンプと言うことで どうしてもカップリングコンデンサーに頼る部分が有るのですが、それが ノンポーラの電解 ということで価格的な問題から来る パーツの問題もかなりあります。 OJI Specialとしては信号が通過する部分に特性が悪く問題のある電解コンデンサーは使いたくありません。しかし特性の良い物は 価格的に100倍以上も変わりますので メーカーではとても採用できないと思います。そういう部分を徹底的に見直しました。もちろん オペアンプは コバルトオペアンプに換装です。その他 帰還関連、電源など大切な主要部分の改造を行いました。

改造後の状態

音質は かなり改善され 思った通りのクリアで抜けの良いサウンドになっています。
audio-technicaの安価なヘッドフォンで聴くとうるさいくらいに 中高域がでますが、比較的低域のでる ATH-ESW9改では かなりナチュラルになりました。
ただ 低域の抜けも良いので量感はたっぷり。D7000ではどうかなとも思いますが、D7000でも 中高域の切れの面で良い方向なので きっと全体域でD7000の良さがでるのではと思っております。

お客様の感想

1月20日に無事届きました。早速、いつも使用している視聴環境(※1)にて視聴を行いました。感想としては、「これ本当にP-200の音なのか?」でした。あまりにも変化していたため驚ききが最初に来ました。音の好みは予想を遥かに上回る出来で、D7000の問題だと思っていた「モワッと」した感じが排除され、音場が把握しやすくなりました。
また、スピード感が増して打ち込み系のサウンドは爽快感がかなり増しました。全体として、特定の音域が強調されることなく聴きやすい音を提供してくれます。
一番すごいと思ったのは、生楽器の聴こえ方の変化でした。以前とは全く違う音に感動しました。
 改造ですので、保証とかは切れてしまうけどそんなのこの音の前にしてしまえば後悔なんてわきません。本当に素晴らしい改造この度はありがとうございました。

※1
CDプレーヤー:HC07 (吉田苑)
DAC::dc1.0 (soulnote)
ヘッドホンアンプ:P-200 OJI Special
ヘッドホン:AH-D7000  (DENON)

ケーブル類
同軸ケーブル:*Silver Grandio HD-10* (zonotone)
RCAケーブル:SIN LINE EVO  (AET)
電源ケーブル+電源ボックス:Pillar AC,Stream-4 (Chikuma)+付属jケーブル+その他アクセサリー

SR71A OJI Special 2009 /12/10

しっかり感のあるコネクタに交換

SR-71A 非常に良くできたポータブルアンプでファンの方は多いのではないでしょうか!?
SR-71A_ojisp1b.jpgさて このアンプですが、入出力のφ3.5 ミニジャックの装着が若干緩く感じる方も多いのではないでしょうか!?
お客様の要望で しっかり感のあるジャックに交換しました。
内部は 大型のコンデンサーがあり、ほとんど隙間が無い状態でしたが、本当にギリギリで選んだジャックを装着することが出来ました。
ジャック自体は そのままでは装着できませんので、一部溶解、加工、そして 本体加工も行っています。