USBオーディオについて of OJI Special

i-modeDPAT,DDACシリーズに代表されるハイエンドオーディオ機器はもちろん、オリジナルオーディオ機器,PC audio(PCオーディオ)やHTPC,そしてAV機器などオーディオだけでなくコンピューター,アナログ技術を駆使して高度なオリジナル商品,カスタム商品,カー用品をお届けする それが OJI Special(おじすぺ)です。改造、特注などのカスタム品もお気軽に

USB機器と考え方

USBオーディオの考え方

DSC_3591.JPGPRODIGY CUBE OJI Special 最近はUSBインターフェースを使ったオーディオが大流行ですね。これは本当に便利でどこにでもあるパソコンにつなげばすぐに音が出るようになりますし、かなりの高音質で今までパソコンを使ったオーディオを毛嫌いしていた人たちにも浸透しつつあります。
さて ハイエンドオーディオでは始まったばかりの感があるパソコンを使ったオーディオですが、OJI Specialでは2003年から本格的にPCオーディオを開発し、世界でも初めてのCDデータとSPDIFデータが全く同じ、よくいうバイナリ一致(データが一致する)を保証したトランスポート DPAT-01を開発しました。発表は A&Vフェスタ。イベント会場にお集まりいただいた人の驚きの顔 そして質問は忘れられません。揺れずにフォーカスがキッチリ合ったクリアなサウンドに驚いた方が大勢いました。

データに関する誤解

 しかし オーディオ雑誌で2年近くにわたり 私が連載記事を書いていましたが、当時 私が何を言っているのか理解していただけないことの方が多く、未だにPCオーディオは誤解がかなりあります。さらに昨今のUSBアダプタオーディオに関してはもっと誤解が多くなってきているように感じます。
P_av65hyou[1][1].jpgDPAT-01の発表 CD再生において CDトランスポート→SPDIimage.jpgDPAT-01F→DAC・・・ と言う構成において SPDIFのデータがCDと異なっている場合は 絶対に原音忠実再生は不可能ですが、これすら理解されずに今日に至っている感じがします。通常CD再生においてバイナリ一致はしませんので CDとは異なる 言わば、CDプレイヤーで作られた音を聞いているのですが、もちろん こういうCDとは異なる音でも音楽は趣味。いろいろな色つけをして好みの色にすることは良いたのしみだと思います。しかし これはあくまでも音を変えているわけで本来のCDの音を聞いている つまり高忠実度再生ではありません。
ただ 誤解して欲しくないのは バイナリ一致だけが原音再生の全てではありません。クロックは完璧な物は世の中に存在しませんし マスタリング時にデータはいじられていますし、DACも含めDAC以降も完璧はありません。バイナリ一致は、これがないと他が完璧でも絶対に原音忠実再生はできませんが、これは高忠実度再生の一つの要素に過ぎないのです。しかし やはりバイナリ一致しないとどんなに推測してデータを加工しても、どんなにアナログを良いものにしても元のデータ(音)にはならないでしょう。だから 大切だと 言っているわけです。そして変えないのが一番簡単だからです。
そして もしバイナリ一致しない機器であってもこれを否定するわけではありません。バイナリ一致している機器でもそれ以外が完璧ではないのですから それだけでオーバーオールでのシステムの価値が決まるわけではないからです。

CDはパソコンで製作されている

 パソコンオーディオは今に始まったことではなく CDが誕生してしばらくした頃にはもうレコーディングはほぼ全てパソコンと言っても良い状態になっていたと記憶しています。

私が不思議に思ったのは 「高忠実度再生に関してもっとも近道のバイナリ一致を理解していただきたい」 と言うことよりも 「CDはパソコンで作られているのに なぜハイエンドオーディオ再生だけがパソコンではないのか!?」 と言う疑問です。データの配信の課程で データをどのように販売するか と言う媒体が CDと言うだけで パソコンで作っている物を わざわざCDプレイヤーで再生する必要なはい と思っていたからです。そもそも CDプレイヤーの中身は パソコンと同じですし、普及しないのは 操作性だけかと思っていたくらいです。(実際には CDプレイヤーはデータ欠損していても適当なデータを作り上げ補完して再生出来る機能が搭載されているが、ハイエンドでは傷だらけのCDをかけて音がよい悪いと言う評価をするはずもないためここでは省略いたします。)

しかし 最近になり USBオーディオが流行り始めると ハイエンドオーディオでも USBアダプタ機器が流行りだし、あたかもUSB機器が音質的に優れている と言うようなおかしな発言まで登場する様になってきてしまいました。
もっというと パソコンは何も変わっていないにもかかわらず、USB機器が流行り出すと いきなり「音がよい」という意見まで登場するのはかなり違和感を感じます。 何十年前も 現在でもパソコンのデータは何も変わりません。

商売 と考えると いろいろなキャッチコピーも必要ですが、誤解を招くようなアナウンスはかなり気になります。

実はインターフェースは全ての機器でバイナリ一致している

前述したバイナリ一致の話を思い出してください。
バイナリ一致を問題としているのは パソコン内部やCDプレイヤー内部の話ではなく それらを経由したインターフェースの伝送後のことです。USBやSPDIFだけでなく パソコンを使ったインターフェース、たとえば EEE1394,SATA,IDE etc は全てバイナリ一致しています。バイナリ一致しないとパソコンになりません。つまり バイナリ一致しないということで問題としている原因は そのほとんどが ドライバーに起因する問題です。簡単に言うと 再生ソフトは 現在でも改竄のない再生ソフトがありますがドライバーでデータを改竄されるとUSB機器は絶対にバイナリ一致したデータは取り出せないのです。つまりUSB機器でもCDのデータとバイナリ一致したデータ再生は出来ません。改竄された後のデータとUSBアダプタ機器で受信するデータはバイナリ一致しているのですが・・・。

多くの場合ドライバーがデータを変えてしまっている

これで理解された方も多いと思いますが、USB機器でのデジタル部分で音質をほぼ決定しているのは ドライバーです。ドライバーでの改竄がすくなければ 原音忠実に近いですし、多ければ色つけ と言うことになります。

私たちリスナーがパソコンを使ったオーディオで考えなければならないのは USBとか他のインターフェースの問題ではなく、 データをどの程度いじっているか それが自分の好みであるか そして デジタルをアナログに戻す際に絶対に必要となる 時間軸情報のクロック。これが問題となるだけで USBやその他のインターフェース自体の規格はあまり関係がないのです

もっというと DAC内部でも規格の決まったインターフェースがあってそれでチップ同士が接続され動作しています。もちろんデータは完璧に伝送されています。
USBもIEEE1394もSPDIFも全てデータはきちんと伝送されます。伝送しない様にドライバーなどで改竄していることが問題なのですが、これは コピーの問題などがあって原音データが最後まで伝送されないのは寂しい限りです。

音質比較は基準を持ってしたい

勝手に改竄したデータを元に 良い音 とか 悪い、また 好みや好みでない といった 抽象的かつ主観的な物では無く、できれば 歪み率 1%と 0.01%の音の違いや 二次歪みと奇数次の歪みを議論するかのごとく、 ある基準との比較をするようなことができればもっとオーディオも向上するのではないかと思っています。もちろん データは誤差を含みますし、計測できる物が全てとは言っていません。しかし バイナリ一致は オーディオでは 唯一 「完璧」といえる物ですから これを使わない手はない と思っているだけなのです。

USB機器に思うこと

PRODIGY CUBEをはじめ 最近のUSB機器は本当にコストパフォーマンスがよいです。タダつなぐだけで あの音! そして SPDIFでハイエンドDACにつなげば 何も音響的に考えていないパソコンが現在のハイエンドCDトランスポートと勝負が出来る音になります。もちろん 2万円のものと100万円の物を比べ 100万円の物が良い と言うような話はしないようにしたいものです。
普通の軽自動車と何千万円もするスポーツカーを比べ動力性能を比較しても意味がないのと同じです。

パソコンオーディオはデータが大切

image10[1].gifPCオーディオの考え方パソコンを使ったオーディオの大きな利点はCDからデータを取り込むための特別な大がかりな装置がいらないことです。これらの実験は 2002年に行いましたがこちらをご覧いただければと思います。

LinkIconPCオーディオの考え方

CDプレイヤーでは 超重量級のメカや それを動かすための超強力なサーボを使って必死でデータを読もうとしています。リアルタイム再生の欠点を補うために必死で努力するわけですが、パソコンであればこんな大がかりな装置は不要です。なにしろ パソコンですから、普通にデータを100%完璧に読み取れます。ただ音楽データは データCDと違うので、傷の入ったCDや 取り込みソフトが悪い場合はダメです。きちんとエラーを表示するような物を使わないと意味がありません。
また 取り込むときには 時間軸情報は 全く関係有りませんので、振動とかの影響は 気にしなくてもOKです。取り込めないほどの酷い振動はいけませんが、普通の環境であれば データには全く影響がありません。ここも よく間違えている部分です。リアルタイム再生ではありませんので 通常は 全くと言って良いくらい関係がありません。

SPDIFとUSBはどちらが優れているか?

SPDIFは垂れ流し方式とも言え データがうまく受信できなかった「間違ったデータが送られた」ときの補正が効きません。USBはデータの間違いがあると再送するような手順を含むインターフェースです。どちらが優れているのでしょうか?
コンピュータのインターフェース と言う目で見るとUSBです。しかし オーディオ的な目で見るとどうでしょうか?
データのエッジがハッキリしているSPDIFも実は魅力的です。クロックは SPDIFに乗っていますので綺麗な物であれば処理は簡単ですし、クロックの汚れがない場合はかなり良い結果が得られるはずです。当方の実験では USBメモリーやSDカードなどのアドレスが不定かつHDDに比べても 遅いディバイスよりもチップセット直結のメモリーの方が遙かに揺れない良い音がしたことから考えると USB機器のように データのタイミングが不定なものよりSPDIFの方が良いかもしれない と言う面も期待できます。
しかし USB機器も 機器内部にて データのDACへの送り出しをしっかりとタイミング良く出している場合は SPDIFよりも良いかもしれません。
そういう意味で言うと USB機器からSPDIFを出力するのも バイナリ一致ししない点を除けば良い結果が得られるかもしれません。
機器ごとに試す価値はありますね。こういう突っ込んだところで USB機器は論議されるべきだと思っております。
私が初めてDDACを世に送り出した時 接続したのはUSBでSPDIFにする変換アダプタ経由でした。このときの音は今でも忘れられません。

最後に

オーディオを愛してやまない私が思うのは、「USB機器だから・・・」 といった 意味のないインターフェースの事を問題とするのではなく、「ドライバーの改竄が少ない」 とか 「音楽性豊かな改竄?」とか 「クロックの位相ノイズが・・・」 といった 内容をふくんだ上での 音質の良さや好み、音楽性など 理論から見たオーディオの問題点を論議するようなオーディオになって欲しいと願っています。

インターフェースの違いではなく 昔のアナログのように もっと理論的に比較してオーディオを楽しみたいと思っています。